神宿る秋の山
ヒプノセラピストの山岳巡礼
秋晴れが続く中、昨日紅葉の美しい谷川岳に行ってきました。目が覚めるような濃いブルーの空に赤や黄色のグラデーションの山並みが映え、いやいや実に圧巻の谷川連峰の雄姿でした。
今回はピークハントではなく、日本三大岩場の一つである一ノ倉沢を間近に見るためでした。樹齢200年を超えるブナの林を進み、右下には湯檜曽川が深い谷をなしています。紅葉を眺めながら歩くうちにだんだん山が深まっていきます。上り坂が続き、右下にあった湯檜曽川はどんどん川幅を狭め、上流はちょろちょろと岩の間を流れる岩清水の河原となりました。見上げると、そこにはあのクライマーの聖地、一ノ倉沢の衝立岩がそそり立っています。
魔の山と言われる谷川岳の最難関、衝立岩
実は谷川岳は世界一多くの死者を出している魔の山で、エベレストよりも危険!実際ほとんど垂直な壁のような岩場に挑むクライマーの気持ちが分かるほど、吸い込まれるような神々しさがあります。大いなる山の懐に潜り込んで、山の霊気と一体になりたい衝動に駆られます。古来より信仰の対象だった山々は変わらずそこに連なり、変わり続ける私たちを静かに眺めています。
真下の道沿いの岩にはたくさんのプレートが貼られ、ここで滑落したり雪崩に飲み込まれて亡くなった多数のクライマーたちの生きた証を刻み、新旧たくさんの献花が置かれていました。私は拾ってしまう体質なので、憑いてこられないように短くご冥福を祈り、すぐに立ち去りました。
筑波山は頂上だけ大混雑
先週は茨城県の古い霊山、筑波山に登りました。薬王院コースといって、西側のルートから二つの頂上を経て筑波山神社へと下る、約6時間のハードなコースでした。修行としては申し分ないのですが、ロープウェイとケーブルカーがじゃんじゃん人を山頂に運び、犬も子供も山頂付近でごった返していて、あまり神聖な感じはなかったな。頂上よりもむしろ登山道のほうが聖地っぽく、これでもかと続く階段やガレ場で自分と闘いながら進む道中は山の神様とともにある感覚でした。
観音様の巡礼で菩薩行を続けてかれこれ10年余り。この頃は修験道の道から、仏像より山全体に同化する、カバラの惑星瞑想につながるような世界にハマっています。
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セラピストとして働く傍らで、スピリチュアル系、メタフィジカル系の書籍を多数翻訳し、日本に紹介し続けています。2014年10月他界したドロレス・キャノンの生前最後のメディア向けインタビュー記事を執筆したジャーナリストでもあります。